巨大娘のイラストには空気遠近を入れたくなりますよね。
空気遠近を入れるのは結構簡単で、空のレイヤーをコピーしてキャラの上にクリッピングして被せてやればOKです。
大気は上空に行くほど薄くなるので、空気遠近は下層のほうが強く、上空に行くほど弱まります。よって、空気遠近レイヤーも上に行くほど薄くしておくとそれっぽくなります。
ところで、空気遠近レイヤーの合成モードは何にすべきでしょうか?
私は今まで 通常 をよく使っていたのですが、最近は 比較(明) のほうがよいのではと思ってきました。ということでこの記事では空気遠近レイヤーの合成モードを変えて比較してみたいと思います。
空気遠近なし
今回サンプルとして以下のイラストを使います。これは空気遠近レイヤーを非表示にした状態です。
好みによってはこの状態がベストと感じるかもしれませんが、個人的には空気遠近は入れたいです。
合成モード: 通常
「通常」で空気遠近のレイヤーを重ねるとこんな感じになります(左側の画像は空気遠近なしの画像を再掲したものです)。
リアルな空気遠近に近い合成方法なので悪くはないのですが、ハイライトが白から明るい水色にシフトしてしまっているのが微妙なのと、彩度が大きく下がることで肌の印象が弱まってしまっている気がします。特に SNS では彩度が低いと絵をスルーされやすい気がするので、肌の彩度はある程度キープしたいです。
合成モード: ハードライト
ハードライトで合成するとこんな感じです。「通常」と比べると肌の彩度が残ってていい感じに見えます。しかし全体的に白くなってしまって空気遠近っぽさはなくなってしまいました。
合成モード: 比較(明)
さて、本題の比較(明)です。こんな感じになります。
比較(明)で嬉しいのは以下の二点です:
- 肌の彩度があまり失われていない
- 影の色が水色に寄るのでそれなりに空気遠近感が出てると思う(主観)
リアルではないですが、イラスト的には都合がよいのではないでしょうか。
また、比較(明)は細かい調整をしやすいのも利点です。色調補正で空気遠近レイヤーの明るさを変えることで、どれぐらいの明るさから空気遠近が掛かりはじめるか変えることができます。これにより影の部分には空気遠近が乗り、明るい部分にはあまり空気遠近が乗らないようにすると良い感じになる気がします。
(この記事書いてて思ったのですが、もうちょっと空気遠近レイヤーの彩度を上げてもよかったかもしれません)
合成モード: オーバーレイ・スクリーン
ついでによく使われてそうなオーバーレイとスクリーンも貼っておきます。真ん中がオーバーレイで右がスクリーンです。
オーバーレイによる空気遠近は色が変わりすぎて自分には扱えそうにありません。スクリーンは雰囲気はあるのですが、あまり空気遠近っぽくない気がします。
MMD だと
3DCG は空気遠近がとても得意です。コンピューターの場合、1ピクセルごとにレイリー散乱を計算して正確に描写できるからです。私は以下の画像の空気感がとても好きなのですが、イラストで再現しようとしてもうまくいきません。いつの日かこれぐらいの空気遠近を描けるようになりたいなぁ。